- 「「ぎやぁああああああ」」
そうそれは水竜でもいちころで倒せる…もとい絹をも引き裂く乙女達の悲鳴から始まった。
ドタドタドタドタドタ
バーーーーーーーン
「ななんだなんだ!?」
「どうしたアメリア!!」
「ででででで出たのよぅ!!」
「しかもいっぱいなんですぅう!!」
「何が出たんだ?」
「ナ…ナメクジがです!!」
「いやあああああ!!バカバカその名前を口にしないで!!うわあああん!とうちゃん、ねぇちゃん怖いよおおおう!イヤイヤイヤ!怖い!!ヒッヒッヒック」
「あーよしよし。お前さん、ほんとそれだけは駄目なのなぁ」
「リナはともかくお前ハルシフォムの所で焼くと香ばしいにおいがとか言ってなかったか?」
「うう、そりゃ言いましたけど、だってちっちゃいサイズで団子状になってたり天井にまでくっついてたり!!」
「…だからあんなにやたら安い値段だったのか」
「きっと北向きの部屋だったから日当たりが悪かったんですよう…!!」
「よし。じゃあ俺とゼルがそっちの部屋使うから、お前さんたちはこっちな。」
「やれやれ」
「ちょっちょっと待ってください!!」
「なんだ?こっちには出ないぞ。」
「それでは正義の申し子アメリア・ウィル・テスラ・セイルーンの名が廃ります!!お二人のベッドを占領した上、ナメクジ部屋に押し込めるだなんてそんなことできません!!」
「廃ってしまえそんなもん」
「ダメ…ダメ…あたし絶対あんなとこで寝ないわよ!無理!怖い!!断固拒否!!!」
「俺は別にどっちでもかまわんぜ?」
「押しかけたのは私達!となればここは私とリナさんが床に寝かせていただくという事で!」
「………そんくらいなら、あたしも別にかまわないけど?」
「ってちょっと待てお前ら!なんでそうなる!?」
「そうだぞ。男は女の子を大事にしなきゃいけないってばーちゃんに言われてるんだ。」
「えーとえーと…!?でもでもどうしましょうか?リナさん?」
「な…なんであたしに振るのよ!…そうねぇ…ここはひとついつもの二人組に分かれて一つに二人ってのでどう?」
「「「………っええええええ!??」」」
「…ふっ。いつもの二人とはよく言ったもんだ。…考えてみればこんなに近くで顔を付き合わせるなんて始めてかもしれんな…。なかなか可愛い顔してるじゃないか。」
凛々しい眉に、桜色の唇。
青く澄んだ瞳を強調する長い睫毛。
これで文句を言う奴なんてまずいないだろう。そう、文句なんかこれっぽっちもない。もちろん。
「そうか?お前さんもこう目を細めて伏せるとすごく色っぽいぜゼルガディス?華奢だから、ベッドもそんな狭くないしさ…ってゼル…静脈押さえると…落ちる…アメリア!一本とって!!一本!!」
「遠慮するなよ旦那。柔の道をとくと味わえ」
「あーずるーい!二人だけプロレスごっこして。私も混ぜてください!!とう!!」
「「!!?」」
「男同士で何じゃれあってんのよ。気色悪い。ほら、アメリア戻ってらっしゃい。灯り消すわよ。」
フッツ
「「「あっ」」」
そんな仲良し四人組の夜
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おわり
2007.7.11
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